新しく恒星が誕生するとき、そのまわりには円板状に広がったチリがぐるぐると巡っています。これらのチリが小さな塊となり更にくっついていき小石程度、岩程度と成長してやがて惑星を作るあげると考えられています。
しかし鹿児島大学と国立天文台の研究者によるコラボレーションでは、惑星が生まれるのは恒星のまわりだけでなく、大質量ブラックホールのまわりでも惑星ができることを理論的に導きました。凄いです。
銀河の中心には太陽質量の100万倍から10億倍のブラックホールが存在します。この大質量ブラックホールには降着円盤が形成されています。この降着円盤の更に外側にはダストトーラスという領域があり惑星の素材となる大量のガスと塵が存在して、それは太陽質量に換算すると、なんと10万個分にもなります。
大質量ブラックホールの降着円盤では高温でとても明るく輝いていますが、その外側にあるダストトーラス領域では充分に温度が低く、岩石の塵は氷に覆われていると思われます。
このような環境ならば、従来の「原始惑星系円盤」の理論と同じように、塵は低密度な塊から衝突や収縮(高密度化)を経て密度が高い小さな天体へと成っていきます。その後は重力が有効に働きどんどんと成長し、氷と岩石を主成分とする地球質量の10倍はある惑星へと成長していきます。
このような成長過程を経て惑星ができると計算によって導き出したのです!
数億年ほどで惑星へと成長し、その数は1万個!
見てみたいです。
現在の技術ではこの惑星たちを検出することはできないそうです。
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ですが想像することは可能です。
地球質量の10倍もあるので大気がある可能性は高いようです。重力が強いのであまり凹凸のない地形になるのではと思います。
惑星はブラックホールから10光年! と離れているのでブラックホールによる相対論的な影響はないと考えられます。ただし、ブラックホールの降着円盤からは猛烈にX線が放射されているので、もし生命が誕生しても私たちと同じような進化の道とはならないと思います。
ダストは豊富にあるそうですが、ガスは少なめなので木星のようなガス惑星が誕生することはなさそうです。
これからの研究だとは思いますが、わくわくしますね。
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銀河核ブラックホールの周りを1万個の惑星がめぐり、惑星たちに生物が現れ、それぞれに文明を築いて、宇宙に行くほどのテクノロジーを持ち、馬鹿げた理由で滅ばない社会が形成されていたら、種族間そして惑星間で補い合い強力な銀河帝国を築いているに違いないと妄想してしまいます。 ははっ