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 話を進める前に基本となる法則、ケプラーの法則について簡単にまとめてみたいと思います。

  ◆

 ケプラーの法則は三つあります。

 ・第1法則

  惑星は太陽を焦点の一つとして楕円軌道を描く。

 ・第2法則

  惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定。

 ・第3法則

  惑星の公転周期の二乗は軌道長半径の三乗に比例する。

  ◆

 第1法則はまずは置いておいて、第2、第3法則をみていきたいと思います。

 [第2法則]

 力の源(太陽)と質点(惑星)とを結ぶ直線に沿って働く、距離の関数として表される「力」を中心力と言います。

Kepler-図1.PNG

 中心力の周りの角運動量が保存されることを示しています。(図2参照)

Kepler-図2.PNG

 Lはその方向や向きを含めて一定なので、質点は図2のようにOを通りLに垂直な平面内で運動を続けることになります。

 このとき、質点の位置ベクトルrがこの平面内で時間dtに掃く面積は、

 ((式1))

Kepler-式1.PNG

 従って単位時間あたりは

 ((式2))

Kepler-式2.PNG

 となります。((dr/dt)/dt = P/mから)

 dS/dtは面積速度といいます。

 これから、

 ((式3))

Kepler-式3.PNG

 となるので、ケプラーの第2法則は定数hを用いて

 ((式4))

Kepler-式4.PNG

 となります。

 [第3法則]

 図1から、惑星の質量をm、それに働く太陽の

引力をF(r)とすれば、惑星の運動方程式のr成分は(惑星がrの動径方向と回転方向の両方に時間依存するとしたら、)

 ((式5))

Kepler-式5.PNG

 扱いを簡単にするために軌道は円運動としてrは一定と考えます。

 ここで仮に引力F(r)のr依存関係を

 ((式6))

Kepler-式6.PNG

 この式を式5に代入してみます。

 すると、

 ((式7))

Kepler-式7.PNG

 が得られます。

 ここで、第3法則、公転周期Tと軌道半径rとの間に成り立つ法則を考えていきます。

 T^2 = r^3

 第2法則で得た式4より、

 ((式8))

Kepler-式8.PNG

 従って、

 ((式9))

Kepler-式9.PNG

 とかけるので、

 ((式10)) 

Kepler-式10.PNG

 となります。

[第1法則]

さて、第1法則です。

第3法則で出てきた式5ですが、式4を代入して整理すると、

 ((式11)) 

Kepler-式11.PNG

のように、rのみの方程式が得られます。

ここから、式4を用いてrのtによる微分をφによる微分に置き換えてみます。

 ((式12)) 

Kepler-式12.PNG

 これを、式11に代入します。

 ((式13))

Kepler-式13.PNG

 この方程式をφでゴリゴリ解くのは難しそうなので、

 ((式14))

Kepler-式14.PNG

 と置いて解いてみます。カッコ内は以下のようになります。

 ((式15))

Kepler-式15.PNG

 するとなんとなく見慣れた形になります。(線形非斉次方程式)

 ((式16))

Kepler-式16.PNG

一般解は次のようになります。

 u = 1/r = A cos(φ + α) + 1/l

これを整理していくと最終的に以下の軌道の方程式が得られます。

 ((式17))

Kepler-式17.PNG

 第1法則です。

  ◆

 ケプラーの法則の復習でした。

arakata
masakappa@gmail.com

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