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 以前に降着円盤について述べましたが、もう少し詳しく調べてみたいと思います。

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 降着流の基本である球対称につてみていきます。

 どこまでも一様な密度の中に高密度天体を置いた場合の現象を見てみます。高密度天体が作り出す球対称の重力場である -GM/r に従ってガスが落ちていくと考えられます。Mは高密度天体の質量、rは高密度天体からの距離です。ここでρ∞(密度がどこまでも一様)としたときガスの降着率はどうなるのでしょうか。

 この問題はボンディという人が考えたものです。

 基本的な式は二つあります。

 一つ目の式です。

 式1)

ボンディ001.png.png

 Mはガス降着率、ρは半径rでの密度、vrはガスの降着速度です。

 二つ目の式です。

 式2)

ボンディ002.png.png

 運動方程式です。境界条件は無限遠にて、vr = 0、ρ = ρ∞です。

 この方程式の両辺を積分(無限遠から)します。ここで、ガスは等温とし、音速はc∞(どこまで行っても同じ)とします。これにより P = pc∞^2 とします。こう定義して積分を解いてみます。

 式3)

ボンディ003.png.png

 ここで、長さの次元を持つボンディ半径を定義します。

 式4)

ボンディ004.png.png

 この式は重力エネルギーと熱エネルギーが平衡する半径で、降着がはじまる半径と考えます。

 更に、以下の無次元式を使って、求めた式を無次元化します。

 式5) 

ボンディ005.png.png

 すると最終的に以下の常微分方程式が出てきます。

 式6)

ボンディ006.png.png

 次回は上式から球対称降着流の解を求めてみます。

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 次回は続きからはじめます。

arakata
masakappa@gmail.com

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