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以下について考えていきます。

・ロッシュローブ

 分離型、半分離型、近接型

・降着円盤とは

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 高密度天体は輝くことはほとんど無くどんどんと冷えていくので観測することが非常に難しい天体です。しかし、近接連星系の高密度天体ならば観測することが可能かもしれません。それは伴星からのガスの流入により高密度天体の表面もしくは降着するガスからエネルギー放射することで観測することができるからです。

 ちなみに夜空に輝く恒星の半分は連星系と言われています。

 [ロッシュローブ]

 近接連星系を分類すると

  分離型

  半分離型

  接触型

 の三つがあります。

 近接連星系の恒星が二つの場合、二つの恒星が作る等ポテンシャル面が接続された形をロッシュローブといい八の字を描いたように見えます。接している部分は重力+遠心力がゼロの場所でラグランジュポイントと呼ばれています。(分離型の図を参照してください)

 ・分離型

  近接連接系の二つ恒星がロッシュローブ内にあるもの。

分離型_20200305.png

 ・半分離型

  片方のローブ内を恒星のガスが満たしているもの。

半分離型_20200305.png

 ・接触型

  両方のローブ内をガスが満たしているもの。

  このとき共通の外層を持つ。

接触型_20200305.png

 通常、高密度天体は主系列星などの天体と近接連星系となるので、半分離型、分離型で輝くことになります。

 半分離型では伴星のガスがロッシュローブ内を満たしているので圧力によてラグランジュポイントから高密度天体に流れこむことになります。そしてガスは高密度天体の周りをまわりながら降着円盤となります。(伴星は回転しているので高密度天体に流れ込むときはまっすぐに落ちるのではなく、ぐるぐると回りながら降着していくのでガスリングが高密度天体にできます)

 分離型の場合は伴星がロッシュローブを満たしていないのでガスが高密度天体に流れ込むことはありません。半分離型ような工程ではなく、伴星が重い恒星の場合その表面からガスが絶えず吹き出ているので、このガスの一部が高密度天体に降り注ぎ降着円盤となることがあります。

 接触型は半分離型以上のダイナマックな状況になると考えられています。

[降着円盤とは]

 高密度天体の周りにあるガスは回転しながらゆっくりと落ちていきガスの円盤を構成します。これを降着円盤といいます。

 高密度天体の重力ポテンシャルにただガスが落ちていくだけならば輝くことはありません。エネルギーの流れとしては、

  重力エネルギー → 運動エネルギー

 という感じです。

 では重力エネルギーがガスを輝かせるための放射エネルギーに変換されるには何が必要なのでしょうか。ガスが高密度天体の周りをまわる降着円盤になればよいと考えたのです。それはガスが十分な粘性を持ちまわりながら落ちていき、ガスが持つ角運動量が遠心力に打ち勝つことで摩擦が発生して、その摩擦が熱エネルギーに変換されます。

 しかし、摩擦を発生させる粘性を定義することができませんでした。 

 通常、粘性は 

平均自由工程 × 分子運動の速さ

で求まります。

しかし、平均自由工程 のオーダーでは運動量の輸送効率が悪く、全く粘性として効きませんでした。

そこで考えられたのは、 乱流 でした。乱流状態はその渦のサイズと乱流運動の速さをかけあわせて定義します。これを現実の降着円盤にあてはめると観測に沿う結果が得られました。近年では 磁場 でも観測結果に沿うことがわかってきています。

これにより、

 重力エネルギー → 熱エネルギー → 放射エネルギー

と変換されていきます。

降着円盤は、重力エネルギーが粘性により摩擦となって熱エネルギーになり、そして放射エネルギーなります。これにより高密度天体は光り輝くことになります。

    ◆

以上、降着円盤についてでした。

arakata
masakappa@gmail.com

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