Bookreview_20200125

著者 ヴァーナー・ヴィンジ (Vernor Vinge)
翻訳 中原 尚哉

出版社   東京創元社
翻訳出版  初版 1995年

あらすじ

銀河全域にネットワークが構築され様々な種族で構成された世界。際涯圏の底で50億年前のアーカイブが発見され、そこから邪悪意識が解き放たれてしまう。それを倒せる鍵を持つ人類家族を乗せた宇宙船が中世に等しい星に不時着してしまった。両親は死に残された子供たちは敵味方に分かれた鉄爪族にそれぞれ捕まってしまう。邪悪意識を倒し姉弟をも助けんと一隻の船が向かったが、世界をそして姉弟を助かることができるのか。

感想

作者のヴァーナー・ヴィンジは数学者であり計算機科学者、そしてSF作家という方です。本作では、銀河の外側が神の世界で内側が文明を持ち始めた生命体の世界となっている銀河系世界で、種族は内側から外側へと昇っていくことで高度化していくという特殊な世界を作り出しています。
その世界には、神のような神仙、超高度な際涯圏文明、車輪の付いた植木鉢に乗るスクロードライダー族、犬か狼のような鉄爪族(もう少し詳しくいうとネズミの顔蛇のような首体は犬、蛇が出てくるところで拒否反応な人がいるかもしれませんが)、そして人類種族などが登場します。その世界に50億年前の邪悪なる意識体が解き放たれて幾多の文明を滅ぼして機構中枢にまで迫ってくるという、種族入り乱れての世界救出に奔走する超本格宇宙SF、という感じです。各文明の設定やアイデアが凄く、特に鉄爪族の世界観や種族の生態などは素晴らしいです。

とても面白い設定なので、際涯圏などの図解や説明を見ながら読むと更に面白くなると思いますので、是非書籍に付属している地図や基礎知識資料を見ながら読んでみてください。面白さがあがって頁をめくるスピードも上がると思います。

是非読んでみてください。

arakata
masakappa@gmail.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です