昔、学生だった頃にやったはずですが全く覚えていない理想気体の状態方程式を再入門したいと思います。
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扱っているのは天体物理学の天体なので、気体に関する状態方程式を考えることになります。理想気体の状態方程式です。
ところで、理想気体とはどんな気体なのでしょうか。
「圧力が温度と密度に比例し、内部エネルギーが密度によらない気体」
密度によらないとは、
・気体分子は空間を動き回っており分子同士の衝突はとても稀な状態なので個体や液体に比べて非常に密度が低い。考え方を変えれば、分子サイズは非常に小さいので分子同士の衝突は無いとする。
・上述のような状態なので分子間力は働かないとする。
ということですかね。
では、温度T、圧力P、理想気体が占める体積をVとします。このとき、nは物質量を表し、Rは気体定数です。
理想気体の状態方程式は PV = nRT です。
理想気体の状態方程式は以下の法則から導かれます。
・ボイルの法則 : PV = 一定
・シャルルの法則: V/T = 一定
PV/T = 一定
理想気体のモル数n(mol)、気体状数をRとすると、
n = PV/RT
・R:気体状数 8.31×10^3 J/(K・mol) or (N・m) / (K・mol)
・P:1気圧 101325Pa
・T:0℃ 273K
・V:22.4L
n = (1.013×10^5 × 22.4L) / (8.31×10^3 × 273) = 1 mol
ここで簡単な問題を解いてみます。
[温度27℃で圧力が2.0×10^5Pa、Vが500mLの酸素の物理量を求めなさい。
気体状数はR = 8.3×10^3 J/(K・mol)とします。]
n = PV/RT から
n = (2.0×10^3 × 0.5) / (8.3×10^3 × 300) = 4.02 × 10^-4 mol
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以上、状態方程式に関することでした。