今回は太陽のコロナに関するお話です。数式ですが、自力で解いている場所があるので間違っている場合は、優しく指摘いただければ幸いです。(ははっ)
◆
これまで恒星が最後にどうなるかを見てきましたが、恒星の大気はどうなっているのか少し気になったので調べてみました。恒星といえば私たちの太陽です。
太陽はほぼガスで出来ているので個体の表面はないといえます。そこでガス星としてなんらかの基準を設けてそこから大気としたいですね。そこで可視光として不透明となるところを太陽表面と決めたいですね。
500nm(ナノメートル)の可視光に対して不透明となる場所を仮に表面とします。
太陽の半径は約70万Kmです。その外層大気は、中心方向から光球、彩層、コロナとなっています。ここで、500nmの可視光に対して不透明となる場所は光球です。その層は500kmにもみたない厚さです。光球の底部では温度は5800Kぐらいですが500kmあたりでは4200Kまで下がります。このさきは彩層ですがここからはぐんぐんと温度が上がりコロナあたりで100万Kにもなります。
ここで大気に関して考えたいところですが、温度が一定だと扱いやすいと思うのでコロナを大気として考え、話を進めていきます。太陽大気としてのコロナは太陽半径のどのくらい大きいのでしょうか。
◆
コロナはきわめて高温で場所によらずほぼ等温といいます。温度は約10^6Kで等温大気の構造を表す式は、以前に何度か出てきた静水圧平衡式です。
となります。
理想気体の状態方程式は、
なので、この状態方程式を静水圧平衡式に代入します。
温度Tは一定とします。
ここで、
と、します。
ただし、
これはスケールハイトです。スケールハイトは大気の厚みを表す長さを示します。では計算をしてみます。
ここで、
MをMs(太陽質量) = 1.99 × 10^33g、
R(気体定数) = 8.314、
μ = 0.5、T = 10^6K、
Rs(太陽半径) = 6.96 × 10^10cm
G(重力定数) = 6.64 × 10^-9
とします。
H = μGM/RT = 0.5 × 6.67×10^-9 × 1.99×10^33
/ 8.314×10^6 × 10^6
= 6.64 × 10^24 / 8.314 × 10^12
= 8.03 × 10^11 cm
H / Rs = 80.3 × 10^10 / 6.96 × 10^10 = 11.5
H = 11.5 Rs
コロナは太陽半径の約11倍の高さまで広がっています。
◆
ここからは、コロナの構造について考えたいと思います。コロナの密度について、ガス密度ρ(r)、 rは太陽中心からの距離を表します。
等温大気の構造を表す式を求めてみます。
静水圧平衡式に状態方程式を代入してまとめたのが以下の式です。
この式を積分します。
そして太陽表面(r = R、すなわちRs)での密度を定数ρRと決めます。
密度分布として上記式が得られます。(あってるかな、、、)
太陽表面での粒子の個数は10^11 個/m^3程度、またHは11R(つまりは11Rs)として計算を試みます。
太陽表面近くから3Rsまでは大きく減少していますが、それ以降は穏やかな下り勾配でコロナ内がだいたい“一様”といえる感じでしょうか。
(密度が減っていくのは温度が高くなったと解釈出来るのかな)
◆
以上、太陽のコロナに関するお話でした。