星の性質を表す方法として、ヘルツシュプルングーラッセン図(H-R図)が使用されています。ここでは、恒星の大きさと表面温度を対数表示した模式図を使用します。
主系列星は中央の左上から右下かけて存在していて、生物で喩えるなら“成人”した恒星たちです。主系列星の左上側はサイズは大きく温度の高い恒星で、右下側にはサイズが小さく温度の低い恒星です。サイズは大きなものは太陽直径の100倍以上で小さいものは1/10以下になります。(下図を参照ください)
私たちの太陽は、表面温度が5800Kなのでlogで表すと3.76、サイズは太陽が基準なので1とするとlogで表すと0になります。
図において主系列星の右側は安定した恒星になる前の“赤ちゃん”恒星の領域です。そこで生まれた恒星は半径の大きな恒星で表面積が大きいので明るく輝く恒星たちです。この星たちは収縮しながら主系列星へと降りていきます。
しかし、恒星としての体を備える前の状況については、この模式図では表現できることが少ないと考えられます。チリやガスなどが集まって恒星への道を歩み始めますがそのチリやガスに阻まれて状況を見ることができないので分類することが難しいようです。
左右上側は巨星や超巨星たちの領域です。
主系列星の恒星内で水素からヘリウムへの核融合が進むと水素の核融合は今よりも外側で起こりはじめます。これにより外層のガスが膨らんで行きます。やがてこの恒星はH-R図の主系列から離れて巨星へと移動していきます。
また、ヘリウムの核融合以降の核融合が進行した恒星はより重い原子を生み出していきます。ヘルウムより先の重元素燃焼を行う恒星は、H-R図上を上に移り超巨星となります。
主系列星の左下にある恒星は、“白色矮星”と呼ばれる星です。 太陽と同じ位の質量のこの星たちは、一生の最後に外側のガスを吹き飛ばし、中心核だけが残ります。この残った中心核が白色矮星です。
これら恒星は表面温度が高いにもかかわらず暗いという特徴がある恒星です。これはこの星の表面積が小さい、つまり半径が小さいことを意味します。
しかし、1立方センチメートル(サイコロほどの大きさ)あたり1トンという高密度であり、地球ほどの大きさに太陽ほどの質量を持った恒星です。
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以上が、HR図についてでした。