宇宙の終わりを以前に書きましたが、今回も宇宙の終わりを考えてみたいと思います。

 今回は膨張が進む開いた宇宙の終わりです。

 

  ◆

 

 宇宙ができて138億年、太陽ができて40億年、現在の地点です。50億年後には私たちの太陽が終わりに近づきます。太陽系にとってはもう一つビックイベントがあります。それは私たちの天の川銀河系がアンドロメダ銀河系と衝突し合体するのです。これも終わりといえますが、再生でもあります。更に周りにある銀河系の大マゼランや小マゼランとも衝突合体していきます。

 しかし遠い銀河系たちは膨張にともない離れていきます。最遠の宇宙は光の速度を越えて膨張します。時間がたてば合体銀河からはどの方向にも銀河は見えなくなります。おそらく1000億年後のことです。

 孤独な旅を続けることになる私たちの合体銀河は、星の命のサイクルは続いていきます。生まれ、育ち、爆発して、命の元を撒き散らし、そこからまた芽生える。こんな活動も10の14乗年ぐらいには止まってしまいます。

 そして、10の18乗年ぐらいには、銀河核にあるブラックホール近傍の星やガス、塵がブラックホールにどんどんと落ちていきます。それに反して銀河の外側にある星やガスなどは宇宙の膨張により銀河核から離れていきます。これを「銀河の蒸発」と呼びます。

 その後は身軽になった合体銀河が闇をゆきますが、10の35乗年に大イベントが訪れます。

 予想では陽子の崩壊が始まります。原子以上のものは全て崩壊します。

 そして残るのは、光子、電子、ニュートリノなどです。唯一残る強大なものはブラックホールです。

 しかし、10の100乗年には吸い込むものがなくなったブラックホールは放射をして小さくなり消えていきますが、その過程は10の100乗年かかります。

 静かに終末が続きますが、ブラックホールの最後は爆発的な放射で騒々しい終わりになると思います。

 

  ◆

 

 宇宙の誕生時に急激に空間が膨らんだと論じることで、宇宙誕生初期の問題を解決することができるインフレーション理論があります。

 このインフレーション理論によると、指数関数的な膨張により全ての空間が均等にインフレーション出来ずに一部が取り残され、その空間が「子宇宙」のようになるといわれています。

 私たちの宇宙を「親宇宙」とすれば「子宇宙」が生まれ、「子宇宙」から「孫宇宙」が生まれます。そしてこの宇宙間はワームホールで繋がれているのです。

 静寂に移行している宇宙から逃れて新天地へ向かうことをワームホールが可能にしてくれるかもしれません。

 期待に添えない環境ならばその先の「孫宇宙」や別の「子宇宙」に、という選択もあるでしょう。

 ただ気になることが一点あります。 

 陽子の崩壊です。

 これは宇宙の環境が変われば変更されるものではないと思っています。

 これから逃れることは不可能なのでしょうか。

 10の35乗年もの先の話なので私たちが恐る必要はありませんが、気になります。

 その頃には素粒子で作り上げた環境に私たちは乗り換えているかもしれませんね。

arakata
masakappa@gmail.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です