中性子星の雑学です。
以下について考えていきます。
・中性子星の形成
核暴走型、重力崩壊型
・中性子星の構造
・中性子星の種類
パルサー、ミリ秒パルサー、マグネター。
◆
[中性子星の形成]
重い星は重力崩壊型超新星として終えます。超新星には核暴走型(Ia型)と重力崩壊型(II型、Ib型、Ic型)があります。
Ia型:伴星から主星である白色矮星にガスが降り積り、白色矮星がその
限界質量を超えるとき爆発的に核融合が開始される状況
II型:8Ms倍以上の重い星が最終進化の果てに中心核が重力崩壊して、
その反動で外層部が爆発的に吹き飛ばされる状況
Ib型、Ic型:水素・ヘリウム層を失った大質量星の核が崩壊して
開始される状況
Ib型は水素を失った、Ic型は水素とヘリウムを失った
大質量星の核が崩壊して開始される状況
※Ms:太陽質量
中性子星になるのは太陽質量の8~10倍程度の恒星でII型の重力崩壊型で誕生します。また太陽質量の10倍以上の恒星では崩壊後に太陽質量の2~3倍程度の核が残れば中性子星になりますが、それ以上の質量の場合は重力崩壊が止まらずにブラックホールになると考えられています。
[中性子星の構造]
中性子星の表面には原子や電子が存在し大気は1m程度あるようです。中性子星に山があるとしたらどの位にになるのでしょうか。
地球の半径 6371km : 中性子星の半径 10km = 637 : 1
地球の凹凸 20km : 中性子星の凹凸 31.4m
思っていたよりは凹凸があります。しかし、ここでは重力を1Gで計算したので、中性子星の重力670億Gを考慮してみます。
重力の違いを考慮するとどうなるでしょうか。
地球の重力 : 中性子星の重力 = 1G : 670億G (6.7×10^9)
オーダーで考えると100億分の1
凹凸のオーダーは100分の1
なので、重力を加味したオーダーは1兆分の1となります。
10^-12ですね。
中性子星の凹凸は、1pm位となりますね。
これでは、「竜の卵」の専門的補遣に記載されている数ミリから10cmという数値に遠く及ばないですね。
うむむ、考え方がおかしいのか……。
位置エネルギーなどで考える必要があるのでしょうか。また後ほど考察します。
[中性子星の種類]
色々な中性子星がありますが、パルサー、ミリ秒パルサー、マグネターがメインとして挙げられています。
・パルサー
パルサーとは規則正しく電波パルスを放出する天体をさします。周期は秒からミリ秒という物凄い速さなので太陽のような一般的な恒星では遠心力でバラバラになってしまいます。この遠心力に耐えられる天体として中性子星が適切であるとされました。
・ミリ秒パルサー
パルサーの中でもミリ秒の超高速回転している中性子星をミリ秒パルサーと呼びます。この中性子星のほとんどが連星系で、ペアーは白色矮星や中性子星です。
ミリ秒パルサーは高齢の星と考えられています。その理由としてミリ秒パルサーは球状星団に多く発見されており、この星団は100億年以上の年老いた星の集まりです。しかし、年老いた星でありながら超高速回転することが物理的に難くなんらかの解決案が必要でした。
そこで出てきたのがリサイクル案です。
それは古くなり回転速度と磁場が弱りパルサー活動を停止したX線連星系の中性子星として連星系からガスが流れ込む降着円盤を持っているとします。
降着円盤からガスが磁力線に沿って中性子星に供給され、このときガスが持つ角運動量が中性子星に伝わっていきます。これにより中性子星は加速されて高速回転をする様になります。この後平衡となる回転に落ち着きます。平衡回転に関する情報から磁場が10^5T位あればミリ秒パスサーが復活するというストーリーです。
ミリ秒パスサーの周期は1兆年に数秒の誤差という精度で回転しており極めて精度が高い「時計」と言われています。
・マグネター
X線、ガンマ線を爆発的に繰り返して放射する天体をさします。この天体は超強磁場を持つ中性子星でそれによりマグネターと呼ばれています。マグネターの回転は極めて遅く、回転がエネルギーの源と考えるのは難しいと言われています。では何があるかと考えたとき、中性子星誕生時のダイナモ機構による超強磁場が有力な案としてあげられています。
如何だったでしょうか。”中性子星の構造“で自分なりに考え数値化してみました。拙い議論だったかもしれませんが、出来そうなときは、なるべく数値化をしていこうと思います。あと、“ミリ秒パルサー”で出てきた降着円盤についてはブラックホールに関する記事で説明したいと思います。
◆
中性子星に関する雑学でした。