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以下について考えていきます。

・白色矮星の大きさや密度、限界質量

 質量が太陽程度ならば、半径は地球ぐらい。

 密度は角砂糖ぐらいの大きさで1トンぐらい。

 など。

・中性子星の大きさや密度、内部構造、限界質量

 質量が太陽程度ならば、半径は40kmぐらい。

 密度は角砂糖ぐらいの大きさで10億トンぐらい。

 など。

          ◆

[白色矮星の大きさや密度]

銀河系には恒星が1000億あると言われています。恒星の一つである太陽は水素を燃料として核融合により輝いています。

始まりは、集まった水素が自身が発生する重力で収縮していき、ある段階で核融合が始まります。核融合で発生する熱が水素の塊である太陽の重力と拮抗することでバランスをとっています。

ブラックホール資料_20200303-1.png

やがて太陽は100億年で燃料を使い果たし、拮抗していた熱エネルギーを失い重力が勝って急速に収縮していきます。また、恒星の外層は収縮で発生する熱エネルギーを受けて膨らんでいきます。これにより小さくなったコア部分と大きく広がったガス状の二極化が進みます。この状態を 惑星状星雲 といいます。

ブラックホール資料_20200303-2.png

 宇宙には高密度天体と呼ばれる星が沢山ありますが、例えば惑星状星雲の中心には 白色矮星 が存在します。この矮星は、生まれによって3種類に大別されますが、これはまた別の機会に勉強したいと思います。

白色矮星

  質量  :太陽ぐらい  1.99 × 10^30 kg

    半径      :地球くらい      6.4 × 10^6 m  

  密度:10^30  / 10^21  kg/m^3

     → 10^9  kg/m^3  ⇨  1m^3 あたり 100万t

            角砂糖の大きさで1t( 1cm^3 ⇨ 1t) 

白色矮星の密度は1立方センチメートルで重さが1tとなります。重力と拮抗している力はなんなのでしょうか。それは電子のフェルミ縮退です。重力と拮抗している状態にあるのです。電子(フェルミ粒子)がパウリの排他原理に従うためで複数の粒子が同じ状態をとることができないため、白色矮星が冷えていっても重力に負けないで拮抗することができます。このフェルミ粒子から生じる圧力を縮退圧といいます。この縮退圧が重力と拮抗して白色矮星の状態を保っているのです。

さてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、白色矮星でいるには恒星質量の大きさが関係しています。大きくなりすぎると電子の縮退圧では支えられない状態になります。

    ◆

[中性子星の大きさや密度]

 それでは白色矮星を生産する星よりも質量が大きい恒星の場合はどうなるのでしょうか。今度は重力と拮抗する力は中性子の縮退圧になります。星の内部では原子が圧縮され陽子と電子で中性子となり、原子から漏れ出して自由中性子の状態になります。中性子星の誕生です。質量が太陽ほどの場合、その密度は以下のとおり。

 中性子星

  質量  :太陽ぐらい  1.99 × 10^30 kg

    半径      :  1.0 × 10^4 m 

  密度:10^30  / 10^12  kg/m^3

     → 10^18  kg/m^3  ⇨  10^15 t/m^3

                                             ⇨  10^15/10^6 t/cm

                                             ⇨  10^9 t/cm

              角砂糖の大きさで10億t!( 1cm^3 ⇨ 10億t)

 角砂糖サイズで10億t、重力は670億G、1兆ガウスの磁場など想像を絶する環境です。人間は中性子星の表面に着く前にスパゲッティ化して死んでしまうと思います。

[中性子星の内部] 

内部構造は以下のようになっているようです。

・表面層

 密度が10^9 kg/m^3ぐらいで固体または液体状態にある。

・アウタークラスト

 密度が10^9 – 10^14 kg/m^3 で鉄やニッケルなどの原子核が

 格子状に並んでならんで固体の状態にある。この格子状に並んだ

 原子核は縮退した電子の液体に浸かっている。

 密度が10^10kg/m^3以上では原子核の陽子が電子を

 捕獲して中性子なる。

・インナークラスト

 密度が10^14 – 10^17 kg/m^3では、中性子過剰な原子核が

 縮退した電子の海に格子状に並んでいる。

 中性子を原子核の中に留めておくことができず、中性子が

 外に流れ出す。外に出た中性子は超流動状態となる。

・アウターコア

 原子核はなくなり中性子が超流動状態で存在する。

 また、電子、陽子、ミュー粒子などの電荷粒子もわずかだが

 存在する。

・インナーコア

 ここの層に関しては、まだ明確ではなく以下のような状態にあると

 言われている。

 中心部となるインナーコアは密度が非常に高くて、凝縮した

 π中間子やK中間子、ハイペロン、さらにはクォークなどの

 素粒子出現がいわれている。

 表層部には、海や陸がありそうですね。現在の知見によると、おそらく1m程度の大気があるようです。夢が広がります。

 中性子星は元の恒星の回転エネルギーを保って小さくなるので驚異的な回転速度となります。自転速度が30秒~1/100秒にもなります。この他に、パルサーとしての性質がありますが、それは「パルサー」のページで勉強します。ちょっとだけ書くと、極方向からジェットを吹き高速で回転しているために、さながら灯台のように煌めいて見えます。

[限界質量]

 中性子星の限界質量は以下のとおり。

   M    ~ 1.5Ms      Msは太陽質量

 太陽質量の1.5倍を超えると中性子の縮退圧では拮抗出来なくなります。

    ◆

 ここ以降はブラックホールのお話となります。

arakata
masakappa@gmail.com

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